【マネジメントQ&A】Q6 新規事業開設の進め方は?


Q6 【質問カテゴリ:マネジメント】

新規事業に取り組みたいと考えています。どのように進めればいいでしょうか?


【回答】

まず、自法人、自組織の“地域(≒二次医療圏域あるいは市町村)”における位置付けと役割について絵に描き、確認して下さい。 

 ●1つ目

地域について把握して下さい。

人口50万を超えるような都市部という地域か、人口10万程度の中規模な地方都市か、人口1万人以下の小さな町村か、高齢率はどうか、今後の人口予測はどうか、気候はどうか(豪雪地か、温暖かな地域か)、地形はどうか(人口密集地か、小さな集落は点在する地域課)などについて把握して下さい。

 ●2つ目

自分が所属する法人の地域における役割と今後の基本方針を確認して下さい。

急性期医療を核にする法人に所属する法人なのか、慢性期医療や診療所を核にしつつ介護・福祉事業を複数運営している組織に所属しているのか、社会福祉法人で入所施設を中心に在宅介護・福祉事業を展開しているのか、自分が介護・福祉事業を運営しているのかなどについてです。 

 ●3つ目

どんな事業を開設すべきかについて挙げて下さい。 

 ●4つ目

事業化できるか検討して下さい。

  1.  ひと:必要な人材は確保できるか(数だけでなく、キーマンも含め) 
  2. もの:土地や建物や備品等は準備できるか
  3. かね:開設資金(運営開始して実際にお金が入るには3ヶ月後です。 また、フル稼働に達すには1年近くかかります。 その間の運転資金は準備できるか)
  4. 情報:計画や記録や請求に必要な情報処理機器、関係書類は準備できるか、などについて確認した“○○事業の開設に向けた企画書”を作成することです。当然、収支予測も作成し、利益が確保できるか確認・証明できることが必要です。 

●5つ目

企画書を法人上層部に提出・説明します。その際は、根回しとプレゼンテーション資料(目で見て分かり易いもの:イラストなどを駆使した開設理由の説明、利益の確保できる根拠の説明)を作成・提示します。 

●6つ目

開設に向けた準備ができたら、関係部署や関係者とプロジェクトチームを編成し、これに当たると良いでしょう。 

何をするにも“思いつき”だけでは開設はできません。開設できても継続運営は難しいことが多いです。

熱い思いを胸に秘め、事業化に向けた緻密な計画、法人上層部への説明と説得、関係者との協働作業が不可欠となります。 


(MO) 


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